お山の教室 開講の狙いと願い

新ハイキングクラブ「お山の教室」が2012年6月30日の開講記念講座を皮切りに、毎月1回のペースで開始することができました。

直接のきっかけはやはりあのトムラウシ大量遭難事故でした。なんで?!と思われる要因が数多く含まれていることが、報告書を読めば読むほど判明しました。気象変動に対する無防備低体温症に対する知識の不足、何よりあなた任せの登山態度・・・などまで、数え上げたらきりがありませんが、もしも同様なことが新ハイの山行で起きたとしたら?と考えるとぞっとした遭難事故でした。新ハイの山行で絶対に発生しない自信があるのか?今のままで本当に大丈夫か?と自問し、その回答の1つがこの「お山の教室」となったわけです。
新ハイの山行は「安全で、楽しく、バラエティーに富んだ山行」をモットーに、発足当初から自立したハイカーがこの指とまれ方式の自主登山で山に行くことを基本としていますが、リーダーを含めた参加者全員に名実ともにこの考え方が徹底して共有されていることが大切であることを改めて認識させられたものです。

山歩きは幅広い知識を持って歩けばそれだけ安全になり、楽しみも一層深く豊かなものを与えてくれます。基礎的な知識があれば、次々に常に新しい発見やおどろき、知識の発展がありますます充実したものになります。歩く目的も人それぞれで、きっかけは百名山・300名山のピークハントでも良いと思いますが、それを歩く中から安全に対する知恵の蓄積や日本の自然に対するさまざまな知識などがおのずから豊かになることが期待できるし、そうであってほしいと願います。

歩きのテクニックから地図読み・天候予想のテクニックなどスキル面、その土地土地の風俗・民俗、歴史にまつわる様々を知ることにより、それまで見えていなかった様々なことが見えてくることはよくあることです。もちろん季節季節に咲く花を知り、狙い通りに出会えればそれだけでも嬉しくなるでしょう。

そのような知恵や知識を、少しばかり纏めて体系的に、整理して身につけられるようにしたい。それも上から目線でなく、新ハイらしく仲間同士の情報交換という形での講座運営としたい、と考えて始めることにしたものです。ですからメニューは千差万別、ご自分が得意とする分野についてそれに興味を持っている方々に伝えるので、山に係わりがあり、聞いてくれるメンバーがいる内容ならあらゆることが対象になり得ると考えています。
どんな形とするべきか実行委員のみなさんとも悩みましたが、あまり難しいことを考え過ぎないで、ともかく始めてみることが肝要だ!とスタートを切ったものです。
不慣れ、不行き届きがあるとは思いますが、「みんなで育ててやろう」との気持ちでご支援していただくように、これからもよろしくお願いいたします。

以上

新ハイキングクラブ前会長 鮫島員義

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