お山の教室

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「お山の教室」第133回
『学んで対応・山の雷』

開催月日:2023年7月31日(月) 13:30~15:30の予定(13:00~受付開始)
講師:塩入哲さん(新ハイキングクラブ 東京支部支部長・山行リーダー)
場所:板橋区ハイライフプラザ
定員:28名
受講料:700円(当日受付でお支払いください)

 

内容

講師である塩入さんは、元(株)東芝の社員で平成21年電力・エネルギー部門「研究・技術功労賞」を受賞した電気の専門家であり、山の雷についても詳しいので、メカニズムや対策等を詳しくお話していただきます。

 

レポート

講座の様子

塩入さんは元東芝のエンジニアで、仕事や趣味の関係で、雷にも詳しいので、雷の写真などを通して、雷の発生メカニズムや雷に遭遇した時の対処法などをお話していただきました。

雷の発生メカニズムについて

地面や大気が暖められて温度上昇→上昇気流の発生(積乱雲の発生)→上昇気流の中で大きな氷(負電荷)と小さな氷(正電)が衝突する→(負電荷)は雷雲の下部へ(正電)は雷雲の上部へ移動→(負電荷)が溜まって大地に向かって走ると大地からお迎えの放電が発生→双方の電気が衝突して強い発光が起こる

雷の性質について

音は1秒間に約340m進むので、ピカッと光って3秒後にゴロゴロと雷鳴が聞こえたら雷は1km先まで来ている。
雷からの距離の短い方に落ちる傾向にある。よって、木があれば人間より高い木の方に落ちる確率が高いが、木のそばにいると木を介して側撃を受ける可能性がある。
金属や時計などを身に着けていると危険と言われているが、装着の有無は雷に打たれる確率とは無関係。

雷の側撃を避けるための避雷対策

高さ5~30mの木からは4m以上離れる。石の上にしゃがむ。
退避する場合は顔を下向きに、できるだけ姿勢を低くして両手で耳をふさぐ。足の両かかと同士を合わせてつま先で立つ(かかとを地面から浮かせる)
高い山に登る場合は天気予報(雷予報)も確認しておく。無料で3日先まで雷予報(国際気象海洋株式会社)を知ることができる。
但し、雷で側撃を受ける確率は宝くじに当たる確率よりずっと低いので、それほど恐れることはない。

登山中の落雷事故の事例の検証

1967年8月1日の長野県松本深志高校の西穂高岳独標での落雷事故
登頂者46人のうち、死者11人 重軽傷者13人
予測外の天気の急変により、独標付近の急な登り斜面で間隔を詰めて密集して登っていたため、岩場の表面での人体を介した沿面放電が発生、被害が拡大した。

日本周辺の落雷分布

雷は夏だけではない、冬もある。冬の落雷は日本海沿岸部で多い。
夏の落雷は本州から九州の内陸部や山岳域で集中して発生する。
というようなことを話して頂いた。講師の塩入さん貴重なお話し有難うございました。

 

会場案内

板橋区ハイライフプラザ

地図

JR埼京線「板橋」駅西口より徒歩1分
都営地下鉄三田線「新板橋」駅A2・A3出口より徒歩3分
東武東上線「下板橋」駅より徒歩7分

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