開催月日:2019年11月28日(木)13:30~15:30の予定(13:00~受付開始)
講師:数見直さん(新ハイキングクラブ山行リーダー)
場所:北区立滝野川西区民センター(滝野川西ふれあい館)
参加者:25名
受講料: 700円(当日受付でお支払いください)
① なぜお遍路に
② お遍路の文化「お接待」
③ お遍路の作法と持ち物
④ お遍路エピソード
⑤ 歩き遍路の効能
⑥ 質疑応答
今回は新ハイキングクラブ・山行リーダーの数見さんによる講演が実施された。
四国八十八カ所のお遍路は平安時代、四国出身の空海が四国各地で修業をし、その後、四国各地の寺院を88選び、四国八十八霊場を設定したと伝えられている。この霊場を歩いて巡礼するのが「お遍路」である。その後、1000年の間に、仏教が民衆に広まり、人々の信仰に対する意識は変わってきた。現在は旅行業者による八十八カ所巡りの団体ツアーが広まってはいるが、歩き遍路も従来の形を維持して広く行われている。
講師の親族が帰依して生前に「おいずる」(火葬の際の衣装)を入手したい希望があり、親族に代わっておいずるを手に入れるために始めた、というのが講師のお遍路のきっかけだった。それをお聞きし、講演参加者はお遍路に対するイメージが身近なものになった。
歩き遍路の修行者は、途中の集落の住民にとっては単に集落を通過する部外者ではあるが、その間に住民との接触もあり、それが文化として発展し、「お接待」が誕生した。また、各地に遍路小屋・善根宿といった宿舎もある。(登山なら避難小屋か)
遍路は人の住む地域をひたすら歩くことであり、登山や街歩きとは異なる側面を有する。お遍路の持ち物が会場に提示され、また、講師が白衣・笠・杖等の実際の行者姿に化した。持参する荷物(着替え・雨具・生活用品・救急用品・地図・ガイド・貴重品・参拝納経用品等々)について詳細な説明があり、その荷物は登山とは異なるが山行における究極的なものとなる可能性があることも分かった。
遍路は歩くことが主であり(大体一日に30km位)従として道筋にある寺院に立ち寄り、参拝納経する。遍路には歩きに集中し、気分的にリラックスすることで、陶酔感を得、その過程で自己と対話し、自己に目覚める立ち直りの場、という性格もある。
今回の講演で四国遍路の全貌が示され、実際に体験する際の装備や気構えも示された。講師からは遍路中の具体的なエピソードも数多く披露され、四国お遍路の魅力を存分に理解する貴重な時間となった。
講師の数見さんに感謝をこめて大拍手で終了した。