安全で楽しい、バラエティーに富んだ山行。初心者から上級者まで、安全で魅力的なハイキングが楽しめます。
開催月日:2017年5月17日(水)13:30~15:30の予定(13:00~受付開始)
講師:笠松幸衛さん(新ハイキングクラブ 山行リーダー)
場所:板橋区ハイライフプラザ
参加者:38名
御嶽山に見られるような噴火を始め、落雷や雪崩など、登山は様々な危険を回避してこそ成り立つ活動です。いつ、どこで起こるか予測できない災害にどう対処すべきか、15年のネパール大地震の際、エベレストのベースキャンプから生還した笠松さんに、貴重な経験も含め、災害に対処する知恵を語って頂きます。
①南極の自然
②ご自身の山岳との関わりについて
③自然災害の怖さ
④エベレスト登山での貴重な体験について
⑤質疑応答
まず、導入では笠松さんの豊富な海外経験の中から、南極の画像が選ばれ、紹介されていきました。極寒の地、という季節ではないにしろペンギンがいてクジラが泳ぐ、いかにも『南極』という画像をたくさん見ることができました。「いつ寝ていいかわからない」という白夜の一日には、「行った人しかわからない世界だな」と感じました。
次に、講師の笠松さんと山との関わりについて、お話がありました。現在、環境省の自然公園指導員(日本に何人もいないそうです)をされている、ということでその肩書きをはじめ、田部井淳子さんの紹介で入会された日本山岳会のことから地域の山の会まで、幅広くご活躍されている様子が伝わってきました。
次のお話は記憶に新しい、那須での高校生雪崩事故についてでした。同時に、50年前の西穂高における松本深志高校の落雷事故も資料と共に紹介され、「山登りには3つの坂がある」というフレーズを教えていただきました。「登り坂、下り坂、3つ目は何だと思いますか?」の問いかけに、一同疑問符が頭に広がりました。正解は「まさか」まさか、と思うようなことが起きるのが『登山』なんですね。
その極め付けが、笠松さんの経験された、ネパール大地震です。2015年の4月25日、標高6500mのエベレスト第二キャンプ付近で行動中にあの地震と雪崩に遭遇したのです。エベレスト登頂を目指してのそこまでの画像、例えば各国の登山家やシェルパたちと和やかに撮ったスナップなどを見せていただいた直後ですから、さっきまで元気だった仲間を失った笠松さんの悲しみも伝わってきました。笠松さん自身も雪崩にのまれ、カラビナ等の金具を使って自力で這い出したとのこと。正に危機一髪の、特大級の『まさか』に遭遇してしまったわけです。
その他、極限の地では水分補給が大切、とかトイレの仕方のノウハウなど、貴重なお話も聞けました。普段から魅力的な山行をたくさん企画してくださる笠松さんの、豊富な経験の一部に接し、おおいに刺激をいただいた2時間でした。 笠松さん、ありがとうございました。
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