「お山の教室」第45回 『山梨の山へいらっしゃい』
開催月日:2016年3月10日(木)13:30~
受講料:500円
講師:山崎公誌さん(山梨市役所)
場所:板橋区ハイライフプラザ
定員:30名
レポート
山梨市のホームページ上に「新ハイキング」誌に掲載された山梨市の山のガイド記事を紹介することになったことがきっかけで、今回は「山梨の山にいらっしゃい」をテーマに山梨市役所観光商工課 山﨑公誌さんにお話をお聞きしました。
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山との関わり…高知県出身の山﨑さん。小さいとき“自宅から見えた蟠蛇森”へ望遠鏡を抱えて登り、“山頂から我が家を見たい”夢を叶えることができたとおっしゃいます。
こちらの大学を出た縁で公務員になった1年目「鉄砲木の頭」から見た絶景に“山って素晴らしい”と思うようになりました。
更に、地元山岳救助隊に参加する中で、滑落事故の際に遺体発見者となった経験から、事故を減らすにはどうしたらよいか“を考え、現在の職場へ異動を希望されたそうです。
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山梨の山の特徴と魅力として3つ挙げられました。
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バリエーションに富んだ山岳資源(それは信仰であり、交易がための古道や峠の数々、城や砦といった歴史的な資産、金山・鉱山も豊富)があげられます。
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交通に恵まれた地理的条件…公共交通機関(JR中央線)が発達しており、駅から駅のハイキングが可能です。また昨今バスも開通しそれらを使えばさらに行動範囲が広がり、もちろんマイカーもOKです。
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歴史・文化に関係の深い存在
象徴的な富士山をはじめ、日本300名山に27座。1997年には全国的な知名度や歴史や民俗との深い関わりがある山梨100名山が選定されました。
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本題の山梨市の山の紹介をされました。
小楢山、乙女高原周辺、大弛峠、乾徳山周辺、甲武信ヶ岳、西沢渓谷等に分けとても多くの写真(すべてプライベート写真でお二人のご子息や奥様も写り家庭的な暖かい写真が多かったです。)を見せていただき、さらに乾徳山の紹介では新ハイ掲示板でおなじみの松本市の吉野和彦さんのDVDを見せていただきました。四季折々様々な山容の山の写真がたくさんあり、山梨の山って本当にバラエティに富んでいると実感しました。
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市役所職員の山﨑さんが仕事を通して思うことは、予算や人的配置など隣り合った市同士でも様々であり、悩ましい問題が潜在します。同じ山なのに登山口が県をはさんでいる場合ロープや階段など明らかにお金がかかっているか、いないかがはっきりわかるといいます。ただ、“初心者、家族連れにも歩くことができるようにする”は私たちにとって最善なのかどうかは疑問に思うこともあります。
そして鹿の食害。山梨市のエリアにある乙女高原も大きな被害を受け、昨年柵を設置し植物の保護に取り組まれており、その効果について検証が待たれるところだそうです。これも予算の問題や猟友会の高齢化など深刻な問題になっているそうです。
終演時間間際まで質問や感想が寄せられ熱い熱い講演内容でした。
多くの写真や大量のパンフレットなども持参していただき、ぜひ山梨の山に行きたいと思った2時間でした。ありがとうございました。
乾徳山山頂、奥に黒金山、国師ヶ岳、甲武信ヶ岳
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車でアクセスが簡単な春日沢ノ頭
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西沢渓谷遊歩道倒木除去作業
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山と信仰~鳳凰三山・地蔵岳 賽の河原~
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