開催月日:2015/2/17(水) 13:30~15:30
講師:鈴木茂也氏(日本野鳥の会 神奈川支部 支部長)
参加者 28名
場所:板橋区ハイライフプラザ
日本野鳥の会はどのような団体でどんな活動をしているか、の紹介から始まり、野鳥観察の実際とそこからわかること、自然保護全般に関する姿勢などのお話がありました。
主な内容は・・・
多くの写真資料を基に、たくさんのエピソードを交えたお話で、2時間はあっという間でした。
日本野鳥の会、神奈川支部で支部長をされている鈴木さんは、新ハイキングクラブの本部山行「野鳥に親しむ」でも毎回、ご指導をされています。鈴木さんから、まず初めに、知っているようで知らない、「日本野鳥の会」についての紹介がありました。昭和33年に横浜でお生まれになった鈴木さんは、小学校4年生の時に横須賀に転居し、その時から「三浦半島自然保護の会」に所属して、現在のような活動をスタートされたそうです。高校で日本野鳥の会に入り、2002年からは関東にある9つの支部のひとつ、神奈川支部の支部長をされています。現在は、ご自身が幼いころに入会した「三浦半島自然保護の会」の会長も務めていらっしゃいます。
そんな鈴木さんの高校時代からの「マイブーム」の紹介がたいへんユニークで、特にフクロウ用の巨大な巣箱を自作し、木の上に設置するエピソードに、会場は笑いに包まれました。巣箱の雛鳥を覗いたときに親フクロウにひっかかれたという首の傷の生々しさにも、会場はおおいに沸きました。
野鳥観察の実際では、自作のシェルターも紹介され、観察の現場が目に浮かびました。観察の視点として、例えばカモ類の足だけ注目すると、その形から機能がわかり、そこからどんな環境でどんな行動をとっているか、という具体的な生態もわかる、というお話が興味深かったです。更に種が違っても同じ行動・生態をとっていると外観が似てくる、という「収斂」の話も新鮮でした。哺乳類と昆虫という全く違う種でもモグラとオケラが似ている、というその現象に名前がついていたんですね。
野鳥保護について、時折「カルガモの親子を守って!」というようなニュースを目にします。健気に見えたりかわいかったりすると、人はとかく感情移入しがちですが、特定の種のみを保護するのはやはり間違っている、というお話もありました。生物全体が住みやすいよう、バランスを取りながら自然環境全体を整えていく、そのあたりの考え方が野鳥の会や鈴木さんの目指すものなんだろうな、と講演全体を通して大切なメッセージが伝わってきました。
今度の山は双眼鏡を持っていこうとか、水鳥の混群がいたら今度はくちばしだけ比べてみよう、とか具体的な行動が思いつくような、とても勉強になる2時間でした。講師の鈴木茂也さん、ありがとうございました。
世話人 坂本 勇・湯沢 宏
コゲラの足 |
カモの足 |
フクロウのヒナ |
フクロウ用巣箱 |