お山の教室

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「お山の教室」第35回 『御嶽山―火山の驚異』

注:
『新ハイキング』ならびにこのWeb上でも、本来「驚異」とするべきところを変換ミスで「脅威」としてしまいました。
講師の立石さんから「私が昔に観たガストン・レビュファの「天と地の間」でモンブラン縦走に同行した火山学者が「火山の驚異」という作品を撮っていたことから、今回上映する作品のタイトルにしたものです」とのご指摘をいただきました。
講師をはじめ関係のみなさまに陳謝して修正させていただきます。

開催月日:2015/5/26
受講料:500円
講師:SES山岳映画サロン 立石恵一さん
場所:板橋区ハイライフプラザ
定員:30名

主な内容

  1. 登山での災害・事故
    地震・雷・火事・おやじ + 吹雪・鉄砲水、そして火山(自身の体験談)
  2. 火山とは
    定義、種類、用語(カルデラ・マグマ)、噴火の仕組み
  3. 日本の火山について
    110の活火山、47山監視、噴火警戒レベル
  4. 御嶽山の噴火(爆発)について
    過去の噴火、監視体制、レベル1から3へ
  5. 大噴火して被害の大きかった山々(江戸・明治時代)
    a. 富士山(1770 宝永4年)
    b. 浅間山(1783 天明3年)
    c. 雲仙岳(1792 寛政4年)
    d. 磐梯山(1888 明治21年)
  6. 「火山の驚異」の火山の補足説明
    a. 危い島々(桜島、国永良部島、西ノ島など)
    b. キングオブ火山「阿蘇山」と九州の火山
    c. 火山の恩恵と損失
    d. 登山者が噴火で死亡した山
    e. 富士山が噴火したら
    f. 火山の魅力
  7. 火山の監視体制・避難体制、登山にあたっての注意点

レポート

昨年の御岳山の噴火の後、日本列島では話題に事欠かない火山について熱烈講演でした。
ちょうど箱根・大涌谷が火山性地震の頻発で立ち入り禁止になっている時でもあり、最も身近な山の危険の一つとなった噴火=爆発についての講座でした。
講師の立石さんはご自分で「火山の専門家ではないので…」とご謙遜しながらも、実にたくさんの火山に関する情報をご披露していただけました。
ご準備いただいた項目に従って、何枚もの分り易い手書きの解説図や略図にもとづき、詳しく火山の仕組みから、日本全国の目下活動が盛んな警戒レベルが設定されている火山の1つ1つについて、その噴火の歴史から現在の状況についても解説。
「異臭がしたら注意!但し、有機ガスが溜まる危険が高いので窪地には入らないように!」との警告の後、講師が若かりし頃から多角的に撮り溜めた日本各地の火山の姿を『火山の驚異』とのタイトルにまとめたフィルムで見せてくださった。
なお、このフィルムは講師が副代表をなさっているSES山岳映画サロン主催で中野ゼロホールでの映画会で公開されたものとのことだった。

この講座の後、口永良部島で大噴火―全島民が屋久島に避難の事態になり、火山へ登山する時にはくれぐれも事前の情報収集が大事であることを知らされた。

講座の様子

以上

お山の教室 「御嶽山―火山の驚異」のクイズと答え

日本のあちらこちらで揺れていますね。昨年の御岳山の噴火で多くの犠牲者を出したのに続き、今年に入ってからでも蔵王・吾妻山そしてこのゴールデンウィークは箱根でも火山性の地震が頻発。
まさに、火山のことを知ったうえで登山する知恵が必要だと強く感じています。
立石さんのお話を聞く前に、以下のクイズでご自分の知識を確認してください。

Q1.昨年の御岳山の噴火は何月何日・何曜日・何時ごろだったでしょうか?
A1.2014年9月27日(土)11時52分
紅葉の見ごろの土曜日。朝から天気は良好で登山には絶好の条件。被災者の多くが絶景を眺めながら昼食をとるために山頂付近に結集していた。
Q2.死者と行方不明者数は?
A2.2015年5月現在での死者57名 行方不明者6名。
これは戦後最悪の被害
Q3.噴火時点ではどんな状況だったのでしょうか?
A3.9月10日以降火山性地震が頻発していた。
しかし、噴火警戒レベルは「平常」とされる1であり、登山者はほぼ無警戒の状態で被災。
噴火時の登山者の多くが登山届未提出であり、このため行方不明者の把握に手間取り、捜査に支障があったことから登山届の提出の励行が促された。
Q4.日本に24時間体制で監視・観測体制が取られている山はいくつ?
以下の10の山はこれの対象か否か?
・富士山・箱根山・那須岳・安達太良山・磐梯山・日光白根山
・浅間山・乗鞍岳・伊豆大島・阿蘇山
Q4.50
私たちにとってどれもなじみの山々ですが、全て対象の山です。
Q5.噴火警戒レベルとは?何段階に分かれているでしょう?
Q5.噴火警戒レベルとは、噴火など危険な範囲や必要な防災体制のレベルを5段階に区分したもの。
 レベル5:避難
 レベル4:避難準備
 レベル3:入山規制
 レベル2:火口付近規制
 レベル1:平常

以上

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