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「お山の教室」第136回
『道迷い遭難を考える』

開催月日:2023年10月24日(火) 13:30~15:30の予定(13:00~受付開始)
講師:野村仁さん(日本山岳文化学会遭難分科会所属)
場所:板橋区ハイライフプラザ
定員:28名
受講料:700円(当日受付でお支払いください)

 

レポート

遭難統計をどう見るか?

2022年の遭難件数は3015件、遭難者数は3506人、死亡者は327人で、過去最多であった。コロナで2020年に減少したが、2021年から増加に転じた。
2022年の態様(原因)別発生状況は、道迷い(36.5%)転・滑落(19.3%)転倒(17.2%)疲労(8.2%)病気(8.1%)でした。道迷いが減り、転倒と疲労が増えた。
年齢別では、高齢者だけではなく、50代・20代でも増えているのが特徴で、30代・40代では増えていない。
地域では北アルプス、富士山が増えている。
7・8月の統計でも2020年を底に遭難件数738件、遭難者数809人、死亡者数61名と過去最多である。
疲労・転倒が増加しており、体力の低下・トレーニング不足と考えられる救助要請が多い。コースタイムプラス2割増しの計画が必要か。

事例紹介

◾2023年7月5日、陣馬山―景信山女性2人(70代・60代)道迷い遭難
道に迷ったことに気づくのが遅れた。現在地が把握できない。スマホはあるが地図アプリは使えない。 コースを100%安全と思い込んでいる。道迷いの危険性を分かっていない。未然に防ぐ対策が分からない。登山経験10年だが、地図・ライトを持っていない!YAMAPでは複数が誤ったルートに入ってから引き返していることが分かる。 同日に他のグループも救助要請があったため、その後、東京都と神奈川県警が標識等を設置した。

◾2022年11月6日、熊倉山バリエーションルート(50代女性単独)の滑落遭難
聖尾根ルートを登り、聖岩頂上から30m滑落し、木にしがみつき、滑落停止。安全な場所に移動し、すぐに110番通報した。 必要な情報(事故発生までの経緯、ケガの状況、自力では動けない、バッテリーの状況、飲料水の有無、現在地の位置情報)を伝達し、動かずに待機した。 滑落遭難時に重要なこと
①早い救助要請
②発見されやすい場所にいる
③目立つツエルトを広げる④体力温存

◾2023年9月3日、中国山地・三原山(59才、男性単独)での道迷い遭難
下山時に沢に迷い込んだ末に行動不能となり死亡。頂上直下にトレッキングポールとスマホがあった。典型的な道迷い。

以上の3ケースを紹介され、事前準備、地図とスマホの併用、早期の救助要請と体力維持を強調された。
講師の野村さん、ありがとうございました。

 

会場案内

板橋区ハイライフプラザ

地図

JR埼京線「板橋」駅西口より徒歩1分
都営地下鉄三田線「新板橋」駅A2・A3出口より徒歩3分
東武東上線「下板橋」駅より徒歩7分

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