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「お山の教室」第69回 『甲武信岳の四季 甲武信岳はいいぞー!』

開催月日:2018年3月20日(火)13:30~15:30の予定(13:00~受付開始)
講師:山中徳治さん(甲武信小屋オーナー)
場所:板橋区ハイライフプラザ
参加者:18名

 

主な内容

「新ハイキングクラブの皆さまにはお馴染みの山域、奥秩父。
その中にあって甲州(山梨)武州(武蔵:埼玉)信州(長野)の三国境にそびえる甲武信ヶ岳は名峰の名にふさわしい魅力的な山です。
山頂近くの甲武信小屋のオーナー、徳ちゃんこと山中徳治さんに甲武信の四季の魅力をたっぷり語っていただきます。
彼が撮影のたくさんの映像資料も楽しみです。
先日お知らせしたとおり、ユネスコの国内委員会が甲武信岳を「エコパーク(生物圏保存地域)に推薦を決めたとのこと。
あまり騒がしくならないうちに、今なら徳ちゃんの話がゆっくりと聞けそうです。」

①甲武信ヶ岳の四季の花
②甲武信ヶ岳周辺からの展望
③河川水源地としての甲武信ヶ岳
④質疑応答

 

レポート

今回の講師、山中徳治さんは、奥秩父主脈の中央に位置し、日本百名山でもある甲武信ヶ岳山頂直下の山小屋、甲武信小屋のオーナーです(甲武信小屋は1996年から新ハイキングクラブのサービスチェーンにもなっています)。山中さんはSES映画サロンのメンバーでもあったので、動画を含め、たくさんの映像資料をご用意いただき、メインテーマの「甲武信ヶ岳の四季」について1時間以上にわたり語っていただきました。内容を紹介します。

1 甲武信ヶ岳~十文字峠周辺の四季の花

標高約1500mの登山口から甲武信ヶ岳の高山帯までの様々な植物の映像が示された。その中で、ベニバナイチヤクソウの大群落、「花の百名山」でも採りあげられているゴゼンタチバナ、トリカブト等、途切れる間もなく次々と数十種類が紹介され、夏山歩きの記憶が呼び戻された。また、十文字小屋周辺にはアズマシャクナゲの大群落があり、5月末から6月初旬が見ごろとのこと。花の色が濃い赤から徐々に薄くなっていくという変化も興味深かった。写真を撮るにはガスっている日の方が写りが良い、というヒントも頂いた。最近ではシカによるシャクナゲ等の食害も深刻で、網を張り巡らせて対応する、という苦労話も聞かされた。

2 甲武信ヶ岳周辺からの展望

甲武信ヶ岳は眺めの良い山であり、南側は御坂の山々の上に富士山、その奥に南アルプスと北アルプス、西側には奥秩父主脈の国師ヶ岳、金峰山、八ヶ岳連峰、北側に浅間山、東には両神山、と見える山は数知れず。四季に渡って一日中、山で過ごすことにより山だけでなく山と雲・霧・雲海との組み合わせによって生まれる素晴らしい景観に立ち会える喜びがあることを知った。

3 河川水源地としての甲武信ヶ岳

甲武信ヶ岳は信濃川、荒川、富士川の3つの川の水源地。源流帯は沢歩きの世界であり、ナメ沢の遡行、魚留の滝など多くの滝等、変化に富む。荒川水系の真ノ沢流域は魅力ある沢歩きの対象として注目されている。源流帯は奥秩父らしい黒木の原生林によって支えられていることを忘れてはならない。

山中氏の映像と語りの1時間は、都会人の知る山の世界が、断片的な小さいものである事を再認識させられた良い体験となった。また、山中氏は単独登山のリスクについても力説され、奥秩父という山域の山深さも併せ考えて、肝に銘じるべきという感想を持った。

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